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2013年05月21日
「写真のエステ…五つのエレメント」 東京都写真美術館コレクション展

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●会 期  開催中~7月7日(日曜)まで 10:00-18:00(木・金は20:00まで)月曜休館
●会 場  東京都写真美術館 恵比寿ガーデンプレイス内  Tel: 03-3280-0099
●観覧料  一般500円、学生400円、中高生・65歳以上250円
▼展示概要……石田哲朗学芸員
 18世紀ドイツの哲学者バウムガルテンは、「感性学」を意味する「エステティカ」Aestheticaという学問を提唱しました。このエステティカは、やがて近代日本に伝来して「美学」と訳されました。現在一般に普及している「エステ」または「エステティック」という和製語は全身美容術を意味しますが、もともとは18世紀西洋で生まれた「感性学」から派生しています。「エステ」はたんに人間の身体を美しく変える術ではありません。自然界の現象や、「私」の外にある様々なものを美しく感じ取る術であり、美しいと感じる「私」の心と感性をはぐくむ術でもありうるはずです。
 この展覧会では「写真の美しさはどこにある?」をテーマとして、29,000点を超える東京都写真美術館の豊富なコレクションのなかから、企画者である私が感じている写真の美の在り方を選び取り、五つのエレメントに分けて紹介します。「光」「反映」「表層」「喪失感」「参照」というエレメントを手がかりとして、19世紀の初期写真から現代写真まで、当館のコレクション写真をたどりながら、美をめぐるかずかずの表現に目を向け、そのたたずまいを味わい、趣を愛でてください。
 「写真」は文字通り「真を写す」と言いますが、写真から「真実」を知ることよりも、「美」の豊かな広がりを感じ取ることが時には大切なのではないでしょうか。
 「写真のエステ」をとおして、きっと今までとは異なる感性のチャネルが開かれてくることでしょう。

投稿者 ips_kanri : 11:57
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