●会 期 2017.3.7~5.10(水曜)まで。 10:00–18:00(木・金は20:00まで)
●会 場 東京都写真美術館 恵比寿ガーデンプレイス内。Tel: 03-3280-0099 http://www.topmuseum.jp
●観覧料 一般600円、学生500円、中高生・65歳以上400円
●展示内容……
1960年代から活躍してきた作家、山崎博(1946–)の仕事をたどる公立美術館で初めての展覧会です。長時間露光によって太陽の光跡を視覚化した代表シリーズ<HELIOGRAPHY>をはじめ、<水平線採集>や<櫻>のシリーズなど代表的な写真作品と、また作家が写真と並行して追求してきた映像作品、さらに新作を含む出品点数200点によって、現代のコンセプチュアルな写真・映像の先駆者山崎博の歩みを今日的な視点から通覧します。
山崎の作品は、光の現象が持つ無限の豊潤さや、時の流れを感じさせます。作家は常に一定の枠組みや単純化された方法論をとりながら、「太陽」「海」「櫻」といった普遍的なものに一貫して取り組んできました。その作品は、対象と装置、被写体とイメージの関係性を示唆するとともに、光の表現の豊かさや静謐で美的なクオリティを獲得しています。
70年代のはじめ、山崎は「いい被写体を探して撮る」ことへの疑いから、「被写体を選ばずに撮る」ことを模索し、自宅の窓のような制約のある風景、特徴のない単純な海景といった「与えられた枠組み」の中での方法的な探求を行うスタイルに行き着きました。
計画性にもとづく制作と、写真行為のなかで起こる偶然性が、その作品の大きな特質となっています。作家は「計画がなければ偶然もない」と言います。「計画と偶然」の二つの要素が相互に作用することで、山崎博の作品は成り立っているのです。 (A retrospective from the Late Sixties Onwards)