▲撮影 野町 和嘉
●会 期 2011年9月3日~11月6日(日曜)まで 9:00-16:30(休館:月曜・9/27,11/4)
●会 場 ミュゼふくおかカメラ館 富山県高岡市福岡町福岡新559 Tel:0766-64-0550
●入館料 一般600円、大・高生300円、中・小生100円
■野町和嘉氏のメッセージ
20代なかばでサハラを訪れ、過酷な風土に生きる人々の強靭さに圧倒されたことがきっかけとなって、今日までドキュメンタリー写真を撮りつづけてきました。
訪れた土地の大半はいわゆる辺境の地であり、厳しい自然と向き合いながら、人々はみずからの宗教文化に強いこだわりを抱いて生きていました。あるいは民族間の軋轢や理不尽な歴史のしがらみを背負いながらも懸命に生き抜く姿に魅せられ撮りつづけてきました。
ところがそれら辺境の地にあっても、昨今、人々の意識は劇的に変わりつつあります。グローバリゼーションのひとつの局面である、効率、利便性といった共通の価値観にむかって、地球上があたかもアイロンがけされた一枚のシーツであるかのように、急速に画一化、平準化されつつあるというのが私の印象です。
約40年にわたって撮りつづけてきた作品の中には、暮らしが激変して歴史記録となった作品も少なくありません。これら民族文化の記録を、混迷の時代を映すひとつの会わせ鏡としてご覧いただければと思います。
▲「アリゾナ号」から浮かび上がる油の紋様 オアフ島、ハワイ 2005年5月 江成 常夫
●会 期 2011年7月23日~9月25日(日曜)まで。10:00-18:00月曜休館(最新の開館情況は要確認)
●会 場 東京都写真美術館 恵比寿ガーデンプレイス内 Tel:03-3280-0099 www.syabi.com
●観覧料 一般700円、学生600円、中・高生・65歳以上500円。
▼江成 常夫 1936年神奈川県生まれ、1962年 東京経大卒、毎日新聞東京本社に入社。1974年、退社。フリーランス写真家。1977年、第27回日本写真協会新人賞。1981年、第6回木村伊兵衛写真賞。1985年、第4回土門拳賞。1995年、第37回毎日芸術賞。2002年、紫綬褒章。九州産大名誉教授。
●第一章……「鬼哭の島」 太平洋戦で没した日本人将兵は約240万人。戦史上最悪の作戦とされた、フィリピンのレイテ島の闘いでは約8万人が戦死し、そのうち収集帰還した遺骨は約1万6000柱にすぎません。レイテ島に限らず、全滅の情況を「玉砕」の名で美化してきたパラオ諸島のペリリュー、北マリアナ諸島のサイパン、テニアン、小笠原の硫黄島、本土防衛の最終戦となった沖縄もまた、死者の霊魂が泣く「鬼哭の島」でした。
敗戦から66年、今の日本は飽食社会のもとでのモラルの喪失、人命は軽視され、自殺者が年間3万人にも及んでいます。この社会病理は昭和が犯した戦争と、それを真摯に語り継いでこなかった二重の過ちの延長線上にある、と私には思えてなりません。健全な現代史認識の回復が求められています。
●第二章……「偽満洲国」 満州国は1945年8月9日、ソ連軍の侵攻のもと、建国からわずか13年6ヶ月であっけなく瓦解し、消滅しました。
私は、戦後中国に取り残されてきた、日本人戦争孤児の身元調査がはじまった、1981年春から、1995年にかけ、満州国の各地を巡歴してきました。このなかで深く心に刻まれたのは、敵国の子どもを育てた中国の養父母に象徴されるように、日本の植民地支配を寛大に受け止めてきた中国人と、侵略国としての認識を埋没させてきた、日本人との大きな精神的落差でした。
●第三章……「シャオハイの満洲」 シャオハイは中国語で子どもを意味します。その戦争孤児は、いわば地獄のなかを生きながらえ、被害を受けた中国人の養父母に育てられました。日本政府がそうした孤児たちの身元調査をはじめたのは、敗戦から36年が過ぎた1981年3月でした。
人民服を纏い真っ黒に日焼けした孤児たちの、自分が誰なのかを問う姿に、私は国策の罪を弱い人たちに強いてきた国のありかたに、ことばがありませんでした。
●第四章……「ヒロシマ」 過ぎていく時間は残酷です。記憶を遠ざけ、生きとし生けるものを消滅させてしまいます。20数年前から撮影取材してきた被爆者は高齢化し、約半数が鬼籍に入っています。再会被爆者の肖像と、何千度の熱線で異形化したモノと場に光を当てました。
●第五章……「ナガサキ」 約8500人ものカトリック教徒が爆死していること。にもかかわらず敬虔なカトリック教徒だった医学者永井隆博士がその著「長崎の鐘」で、原爆投下を神の摂理として著したことで、長崎に祈りの心が生まれたといえます。
(江成常夫氏の解説を要約しました。かなり長文なので、転載するなら原文のままが原則です。そうでなければ割愛するのが妥当でしょう。しかし、テーマだけを掲げても理解の域を超えると判断して、勝手ながら五十分の一に要約したことをご容赦ください)
●会 期 2011年7月16日~9月19日(月曜・祝)まで。 10:00-18:00月曜休館。(最新の開館情報は要確認)
●会 場 東京都写真美術館 恵比寿ガーデンプレイス内 Tel:03-3280-0099 www.syabi.com
●観覧料 一般500円、学生400円、中・高生・65歳以上250円
▼内 容……①黎明期の写真と、その進歩。ダゲレオタイプやアンプロタイプ、鶏卵紙など、黎明期の写真はその特徴を生かし、またその弱点と戦いながら、さまざまな子どもの姿を残してきました。
②表現としての「こども」。肖像写真とは別の目的でも、子どもの写真は撮られています。子どもが持つ小悪魔的内面を表現した作品、子どもを天使のイメージと重ね合わせた作品、ピクトリアルな芸術写真など、偶像化・象徴化された子どもの姿がいくつも残されています。
③「光」の重要性を体験コーナーで実感!! 展示室内に「光」の重要性を体験できるコーナーがあります。さまざまな角度から光を当てることで、どのような効果があるのかを確かめます。ぜひカメラを持ってご来場ください。(プレスリリースより要約)
▲浅田家 2010 浅田 政志
●会 期 2011年7月2日(土曜)~8月28日(日曜)まで。 9:00-16:30(休館:月曜)
●会 場 ミュゼふくおかカメラ館 富山県高岡市福岡町福岡新559 Tel:0766-64-0550
●入館料 一般600円、大・高生300円(7/20-8/28夏休み中および土・日は高校生以下無料)、中・小生100円
▼浅田政志氏のコメント……誰にでも身近な記念写真。僕はそんな当たり前の写真がすごく大好きです。
生まれたときに撮ってもらった写真や、小学校の入学式の時、どこか旅行に行った時に撮った写真など、思い返せば数多くの記念日に撮った写真が自分にとってとても特別なものとしてあります。
記念写真は、生きていれば誰でも撮られたことがあるはずです。
その記念写真をもっと特別な写真にしてみようと、一緒に写るメンバーで本気で挑戦してみると、考えもしなかった予期せぬことが色々おこります。
僕は自分の家族や、他のご家族、あるいは個人と、そういった自分たちでつくる記念写真を今までたくさん撮ってきました。
だから何を言いたいかといいますと、そのみんなの力で仕上げたそのような写真は、記念日を超えていけるのです。
写真の撮影自体が記念になり、私たちの心の中でいつまでもその写真とともに輝きつづけることを信じています。
未来の私たちや、見に来てくださったみなさんの、自分たちへのメッセージを写真に。(原文のまま)
●会 期 6月11日(土曜)~8月7日(日曜)まで 10:00-18:00(月曜休館 木・金20:00まで)
●会 場 東京都写真美術館 恵比寿ガーデンプレイス内 Tel:03-3280-0099
●観覧料 一般700円、学生600円、中・高生・65歳以上400円。
●世界各国5,700人の報道写真家から、108,000点を超える応募作品のなかから、9部門で入賞した56人の作品を展示する。同時に東日本大震災の記録の一部をスライドショーによって上映する。
▲Josef Koudelka “Prague 1968″より
●会 期 開催中~7月18日(月曜・祝日)まで 10:00-18:00(木・金20:00まで)月曜休館
●会 場 東京都写真美術館 恵比寿ガーデンプレイス内 Tel:03-3280-0099
●観覧料 一般800円、学生700円、中・高生65歳以上600円
●内 容 ジョセフ クーデルカ(1938年、現チェコ共和国生まれ)は、1968年8月に起こったワルシャワ条約機構軍のプラハ侵攻時、団結して兵士に抵抗した市民の攻防を写真に収めました。
しかしプラハの春が終焉を迎え、ソ連が導く共産主義への「正常化政策」が敷かれる情況では、これらの写真は国内で発表できる記録ではありませんでした。そこで、プラハの写真史家とスミソニアン博物館の学芸員等の手によって、これらの写真は秘密裏にアメリカへ持ち出され、当時のマクナム会長エリオット アーウィットを経て、翌69年「プラハの写真家」という匿名によるドキュメントとして発表されたのです。そして同年、写真家の名を伏せたまま、ロバート キャパ賞を受賞しました。
クーデルカがこれらの写真の作者であると名乗りをあげることができたのは、1984年、彼の父親がチェコで亡くなったあとのことでした。
東西に分断された欧州や、冷戦下の政治的状況を顕したこれらのエピソードは、20世紀の伝説となり、世界中のジャーナリストたちによって語り継がれています。(プレスリリースより)
▲田村 茂 「敗戦の素顔」 1945年頃 ”戦争とこどもたち”展より
●会 期 開催中~7月10日(日曜)まで 10:00-18:00(木・金20:00まで)月曜休館
●会 場 東京都写真美術館 恵比寿カーデンプレイス内 Tel:03-3280-0099
●観覧料 一般500円、学生400円、中・高生65歳以上250円
●内 容 ここで紹介する作品は、「戦争」と「こども」をキーワードに選び出された写真です。「戦争」といっても、第二次世界大戦やヴェトナム戦争などの、戦場に生きるこどもたちだけを取り上げるのではありません。非戦場でありながらも、戦時下や戦後まで、時代の影とともに成長する「こども」の姿が一貫して登場します。
厳しい時代のなかで画面に存在する「こども」の姿は、「戦争」という奥深い世界へ入るためのエントランスのような役割を果たしているようにも見えます。それは、「こども」特有のエネルギーが、見る者を引き寄せるからなのかもしれません。(プレスリリースより)
●会 期 2011年4月2日(土曜)~6月19日(日曜)まで 9:00-16:30(休館日:月曜、5/6,5/10)
●会 場 ミュゼ ふくおか カメラ館 富山県高岡市福岡町福岡新559 Tel:0766-64-0550
●観覧料 一般600円、大・高生300円、中・小生100円
●内 容 「いつか出したい写真があった。一枚の写真には必ず物語がある。二枚になればもう少し物語がすすむ。その先に、思いがけない話があるかもしれない。その思いに添って2008年に”ONCE UPON A TIME”という大判の写真集を出すことができた。やがてその一枚ごとの写真の物語をもっとひろげていく夢をもった。これが今回の写真展の大きなテーマになった。
五つの旅……というふうにまとめたが、一枚の写真をめぐる物語は旅だけでなく、わたしの周辺にもっとたくさんある。だから、いつか、さらにまた別の世界の物語をつくりたい、と思っている。それはきっと「むかしむかしあるところに……」という題名になりそうだ。
今回の写真展はそんなあたらしいぼくがもっとも熱中するライフワークのスタート点と考えている」 椎名 誠
▲「題不詳」 黒川翠山 1906年頃
●会 期 開催中~5月8日(日曜)まで 10:00-18:00(木・金は20:00)休館は月曜日(3/21開館、3/22休館、5/2臨時開館)
●会 場 東京都写真美術館 恵比寿ガーデンプレイス内 Tel:03-3280-0031
●観覧料 一般800円、学生700円、中学生・65歳以上600円
●内 容 明治時代中ごろから、撮影技術の革新によって登場するアマチュア写真家たちが、西欧の動向を取り込みながら「芸術」としての写真のありかたを模索しはじめます。その模索は、日本の伝統的な絵画と、受容したばかりの西洋絵画の両方を規範として、日本独自のピクトリアリズムの写真表現をかたちづくります。
大正時代に入ると、ゴム印画やブロムオイル印画といったピグメント印画法を駆使した作品や、ソフトフォーカスの表現を持つ作品が数多く生み出されました。手工芸的なプリントワークを高度に駆使した一品制作の作品は、あるときはデリケートで精緻に、またあるときは豪放磊落でユニークな表現を展開して、ピクトリアリズムを標榜する芸術写真として大きな潮流をつくります。
この芸術写真は、写真の純粋性を追求する近代的写真が確立した時代、昭和のモダニズムのなかにあって、形を変えながら受け継がれていきます。
この展示は、明治時代後半から1930年代(昭和時代はじめ)までに制作された、世界に誇りうる珠玉の名品120点と貴重な資料を一堂に集めたものであります。(プレスリリースより)
●会 期 2011年2月18日(金曜)~2月27日(日曜)まで 10:00-20:00(最終日は18:00まで)
●会 場 東京都写真美術館 恵比寿ガーデンプレイス内
作品展示場所 恵比寿ガーデンプレイス・センター広場……光と霧によるインタラクティブな環境インスタレーション / レーザー光を用いた体験型デモンストレーション / レーザーを用いたアラブルデバイス(装置装着)とインスタレーションによって、テクノロジーと身体を用いた作品 / ダンスデモンストレーション(夕刻) 入場無料
東京都写真美術館内……3F,2F,B1F 世界各国のアーティストによる短編映像作品を中心に、写真、絵画、立体作品をあわせて展示 入場無料
東京都写真美術館内……1Fホール スクリーン上映作品 有料(プログラムを参考にしてチケットを購入、座席指定)
●詳しくは恵比寿映像祭公式サイトをご覧ください。 http://www.yebizo.com